【甲子園】甲子園の土を持ち帰るのはなぜ?いつからはじまった?
今年も甲子園が始まりましたね。今年も数々のドラマが生まれるとよいですね。さて、今回は甲子園についての記事です。例年、負けたチームのメンバーが甲子園の土を袋に入れて持ち帰っている様子をよく見ると思います。この「土を持って帰る」という行為はどうしてなのでしょうか?また、だれが始めたのでしょうか?このことについての記事です。
どうして土を持ち帰るのか~土はなくならないの?~
夏といえば甲子園ですよね!3年間この舞台のために必死で練習してきたことや、プロとは違い負けたら終わりという緊張感が見ていてとても面白いですね。そして負けたチームのメンバーが泣きながらベンチ前の土を袋に集める。毎年のようにテレビで見る光景ですよね。一体、どうして甲子園の土を持ち帰っているのでしょうか?
土を持ち帰ることのルーツ
甲子園の土を持ち帰るという行為を一番初めに行ったのは、1949年 第31回大会のとある敗戦投手でした。この大会では福岡県代表の小倉北高校が圧倒的な優勝候補でした。小倉北高校は過去2年間で6回の連続甲子園出場を果たし、夏の甲子園も連覇していました。この小倉北高校には福島一雄投手という名投手がいました。
福島投手にとっては第31回大会の甲子園は最後の甲子園でもあり、また3連覇もかかった大会であったので、甲子園に対する思いは誰よりも強かったことでしょう。しかし、迎えた甲子園の準々決勝、福島投手は撃ち込まれてしまい、また肩を痛めて降板することとなってしまいました。
福島投手が降板した後、小倉北高校は延長戦の末サヨナラ負けを喫してしまいました。サヨナラ負けをした直後、福島選手はベンチから立ち上がりホームベースの方へゆっくりと歩んでいったそうです。そして、しゃがみこんでホームベースの土を握りしめポケットに入れたそうです。福島投手の子の様子はとても悲哀な様子でした。これが甲子園の土を持ち帰るという行為のルーツとなりました。
後に、福島投手曰く
「無意識に行動をとったため、土をポケットに入れたことを忘れていた」とのことです。その後、大会運営委員から、土を思い出にしてほしいとの連絡があり、甲子園の土を植木鉢の中に入れ大切にしたそうです。
この福島投手の行動が有名になり、負けた高校球児たちが甲子園の土を持ち帰るようになりました。
では、この土、無くならないのでしょうか?毎年のように持って帰っていると、直ぐになくなってしまいそうですが・・・。
甲子園の土は無くならないの?
負けた球児たちが毎年のように持ち帰っているので、どこかで補充しているはずです。これは、甲子園のHPに書いてありました!
引用:阪神甲子園球場Q&A
また、毎年毎年土を補充してるみたいなので、無くなることはないそうです。これで、思う存分持ち帰れますね(笑)。
甲子園の土を沖縄県は代表は持ち帰り禁止だった?
沖縄県の代表チームが持ち帰った甲子園の土を海に捨てられてしまった事件があるのをご存知ですか?
1958年の夏の大会で沖縄県代表の首里高校の投手が甲子園の土を地元に持ち帰ったところ、海に捨てられる事件がありました。なぜこのようなことが起こったかというと、当時の沖縄はアメリカの統治下にありました。
1958年は第40回記念大会として47都道府県すべての代表が出場し試合をしました。沖縄県代表の首里高校は初戦で福井県の敦賀高校に1-3で敗れてしまいました。首里高校の選手たちは甲子園の土をビニール袋の中に入れ持ち帰ろうとしましたが、那覇港で甲子園の土は没収されてしまったのです。
アメリカの法律では甲子園の土は外国の土ということで、植物検疫法に違反するため沖縄県に入れることができなかったからです。
今では当たり前の後継でも、昔はこんなことがあったんですね・・・。
持ち帰った後はどうしている?
思い入れのある甲子園の土、持ち帰った後はどのようにしているのでしょうか?
大きく、3パターンあるようです。
- 甲子園出場記念として保管する。
- 植木鉢に入れて植物を育てる。
- 母校のグラウンドに撒く
甲子園の土は人それぞれですね。土を始めに持ち帰ったとされる福島投手は植木鉢に入れていました。
まとめ
- 甲子園の土を始めて持ち帰ったのは諸説あるが、福島投手のものがはじめであると推測される。
- 甲子園の土は季節ごとに砂と土のブレンドを変えている。
- 甲子園の土は毎年補充しているため亡くならない!
- 沖縄県の高校は甲子園の土を持って帰れないこともあった。
- 甲子園の土は人それぞれ様々なことに使われ、保管されている。
いかがでしたか?負けた高校のメンバーが涙を流しながら土を集めているのはこのような由来があったからなんですね。この知識があると今やっている甲子園も少しは違った目線で見れるのではないでしょうか?
今年も様々なドラマが生まれることを期待しています。